2003・キャンプ日記(T) - 塚本光弘さん
こだわりキャンプ術 トップページ ≫ サイバーフレンド ≫ フレンドのキャンプ日記 ≫ このページ | Updated: 2013.7.25 |
■キャンプ期間 2003年5月19日〜5月24日
このページの内容
日程と利用したキャンプ場キャンプ日記 まとめ | 参考ページ
サイバーフレンドの ・・・
キャンプ日記
キャンプ場情報
"特配員"だより
|
■ このページのキャンプ場 はこだてオートキャンプ場 鶉ダムオートキャンプ場『ハチャムの森』 歌才オートキャンプ場ル'ピック | |
5月19日(月) 小雨のち曇り【利用キャンプ場】 はこだてオートキャンプ場
写真1 管理棟と正面ゲート
写真2 春の山菜No.1根曲がり竹
ニセコの道の駅「ビュープラザ」で買い物。アスパラとね曲がり竹、そしてジャガイモを。次は黒松内の道の駅「トワヴェール・U」ではベーコンとハムとパン。さらに「You・遊・もり」では地元産のイカ飯と大粒のイチゴ。全部札幌のスーパーよりはるかに安かった。
今日の利用者は我々だけ。テントを張ってから場内を見る。素晴らしい。まるで公園のようにつくられている。開設5年目らしいが芝の痛みが目に付くくらいで、建物・舗装などに疲弊感は感じられない。ただ、私の使ったサイトの個別炊事場が油で汚れていたのが欠点だったが、他の共同炊事場やトイレは見事なほどきれいに掃除されていた。警備員常駐で19時・23時・6時に巡回、カード式ゲートは利用者のみ出入り自由なので、管理面では安心できる(写真1)。
妻が夕食の準備で食材を広げている。今夜は木炭は使用しないで済まそうと私。カセットガスは10本ある。コンロも二つある。まずはコーヒーの準備だが、手回しのミルに問題あり。豆が微細になりすぎてフィルターが目詰まりをおこすのである。ミルの掃除もしなければ・・・。
5月20日(火) 曇り後晴れ【利用キャンプ場】 鶉ダムオートキャンプ場『ハチャムの森』
写真3 桜の木が点在するサイト
写真4 サイトごとのミニ花壇
写真5 ツートンカラーのサイト敷石
写真6 四角四面を感じさせないサイト
春とはいえやはり北海道は花が少ない。そんな中でも時期を考えた花木の配列が他のキャンプ場とは違う気配りを見せている(写真3,4)。
人里からかなり離れているし我々だけではなんとも寂しいが、妻がウンといえば・・・・・(いうわけがない)。早々に退散した。今来た道を上磯市街まで戻り、R96を大野町へ。ここからR227を厚沢部町へ向かう。R227へ出てすぐ次の予定地に電話。『ハチャムの森』も当然OKである。
場内を見て歩いて気が付いたが、コテージの駐車場所が少々はなれている。そして他で今まで使ってきたように横付けはできないのである(写真7)。さらに1棟に1台分はあるのだが個別ではなく2棟2台分が一枡になっている。1台が間隔を考えないで止めると、あとの1台は芝の上に踏み込まなくてはならない。この設計はどんなコンセプトなのか、確認まではする気がないが気になる配置である。
一番奥のフリーサイトはロックフィルダムが目の前に見えるところ。ここも芝は全面生き生きとしていて素晴らしい。駐車スペースは横1列のみだが20台以上は止められそうだ。そこに隣接するテントサイトは幅が広く、駐車スペースと同じ長さがとってある。すなわちフリーサイトでもオート感覚を味わえるのである(写真8)。ただし炊事・トイレ棟は片側にあるので奥になるほど遠くなる・・・。
写真7 車の横付けができないコテージ | 写真8 オート感覚のフリーサイト |
5月21日(水) 晴れ (民宿・浜風)
写真9 使いやすい炊事場
写真10 砂浜の少ない海岸線
R227を日本海に向けて走り江差町に入ったところからR229を海沿いに北上。乙部・熊石・大成・北桧山・瀬棚を経由して島牧村到着。道の駅「よってけ島牧」で昼食。食後すぐ裏手の海岸を散歩する。この海岸線は溶岩が堆積したような地形が続き、海水浴場はほとんどないようだ(写真10)。それだけにトンネルも多く、道路建設も多大な経費を投入しただろうと思う。襟裳岬の黄金道路はその代表格だという。
海岸に漂着したもの無数。その中にハングルやロシアの文字が読み取れるものがある。長い海岸線を走ると密漁とか密航者、不審船・不審者という文字をよくみかけるが、漂着物とあわせて外国は近いのだと思わずにはいられない。
駐車場を出て少し北上する。シェルプラザというところで貝製品の土産を買う。グラスに入ったクリヤーランタンも目に付いた。テントで使うつもりである(結局は使わずに持ち帰った)。
浜風の女将は美人だ。色白で笑顔も美人。2階へ案内してくれて好きな部屋を使ってくださいという。表側の10畳ほどの部屋に決定。窓のすぐ下が国道なので車の走行音が気になったが二重ガラスのせいか問題なし。
海・風ともに静かだ。明日も快晴との予報。静かに眠れそうだ。
5月22日(木) 曇り後晴れ【利用キャンプ場】 歌才オートキャンプ場ル'ピック
写真11 目の前はアワビの宝庫
写真12 船団を待ちわびる武蔵坊弁慶
今日は黒松内町の「ル・ピック」で2泊の予約済み。ここからは近いし時間もある。途中の弁慶岬に立ち寄る。3m以上もあろうかと思われる弁慶の立像は、風雨にさらされながらもなお眼光鋭く異彩を放っていた。義経がもっとも信頼しもっとも応えた人物らしい(写真12)。
(以下は読売新聞の地域版より要約)
毎日岬に立って義経再挙の兵を乗せた船団が来るのを待ちわびる武蔵坊弁慶。その姿を見ていたアイヌの人たちがいつしかこの岬を弁慶岬と呼ぶようになった。待ちわびたのは義経もおなじで、その義経を気遣った弁慶がアイヌの人たちを相手に相撲をとって慰めた。その土俵跡は今も石碑が残っている。
義経主従の伝説のもとはいろいろあるらしいが、最大のよりどころは江戸時代の史書「本朝通鑑」にある「義経不死、逃到蝦夷島」の記述らしい。蝦夷島とはこの北海道のことだが、同じく江戸時代の探検家松浦武四郎の「西蝦夷日誌」にも「義経卿此処より見給いし」と記されているという。弁慶はその後さらに北上し、今の岩内町・雷電(温泉?)に行ったと台座に刻まれていた。
・・・というように、北海道では珍しい伝説だがこれも海に面した土地だからこそのロマンあふれる物語かもしれない。
かなり時間を費やしたようだがまだ10時半。岩内町の道の駅まで足をのばす。ここまでのR229も道幅やトンネルがすっかり改良され、かつてのような危険因子はなくなった。快適なドライブができたが、真夏になれば交通量も増えてより慎重な運転が必要だろう。戻ってR9へ入り黒松内の運動公園の駐車場で昼食。食べながら夕食のメニューを話し合うが手の込んだものはつくりたくない、との気持ちは同じ。
写真13 新ブキは小指の太さが最適
写真14 いつもと違う赤さの夕日
テントを張ってコーヒータイム。私が豆を挽くあいだ、妻はコンビニで買ってきたスポーツ新聞に熱中していた。スポーツはしない妻だが野球と相撲はめっぽう詳しい。これは一種の特技か。
無料貸し出しの自転車に乗っていた妻が新ブキを採ってきた(写真13)。去年サイトわきで採ったササの子はもう長くなりすぎて食べる部分がすくないのでフキを採ったらしいが、これは今がちょうど旬。場内で草刈をしていたおじさんが何かさけんでいる。よく聞くとフキはもう要らないのかといっているのだ。採らないと刈り倒すということ。もう要らないと身振りで返事。
外出していた1組がかえってきた。仲間がいるということで妻も落ち着いて見えるのは気のせいか。私はここに来ると落ち着く。何もせず居眠りしてもいいし白樺の木を一本ずつ眺めているのもいい。夕暮れのなかで静かにグラスを傾け、懐かしいジャズに耳をかたむけてもいい。そんなとき、人の動きや車の音など不要なのである。忘れたころ通過する列車の音がBGMに聞こえるのだから不思議である。
ふと気が付くと今日の沈む夕日がやけに赤い。黄砂現象のときも赤くなるが今日は黄砂はない。雲もかかっているが普通これだけの雲があれば太陽はみえないはずだ(写真14)。 (帰宅後ロシアの大規模森林火災の煙が北海道上空まで流れているとのニュースを知ったが、はたしてそれだったのか。)
5月23日(金) 晴れ【利用キャンプ場】 歌才オートキャンプ場ル'ピック
ストーブに点火しコーヒー豆を挽く。重たいピンの入った袋がテントの外に出ていた。キツネがテントのすそから潜り込んだようだが、ガスの空き缶と蚊取り線香しか置いてないので腹立ち紛れに引き出したのだろう。管理棟には「キツネが出たらお知らせください」という張り紙があったが、利用者のマナーがとうとうキツネを呼び寄せたようだ。
写真15 愛すべき御面相
小さいが放牧場がある。今年からポニーを放牧していると聞いたのでいってみようと妻を誘う。しかし妻は「ノー」。テレビに映るポニーは可愛いといいながら見入るのに実物はダメ。聞くと小学校低学年のころ近所の農耕馬(ばんえい競馬にも出場する道産子馬で体格がすごい)に追いかけられた?記憶が残っているからだという。多分人懐っこい馬だったのだろう。近寄ってきたのを追いかけられたと思っているのだから、多分かなり怖かったにちがいない。 私だけ行ってみた。親しさを覚える顔がそこにあった。声をかけるまでもなく駆け寄ってきてこのポーズ(写真15)。 鼻面を掻いてやると背中も掻けとばかりに横向きになったのには驚いたが、人を接待する術でも覚えているのかな。
こういう動物は犬猫を問わず人の気持ちを嗅ぎ取るらしい。そして人を選ぶらしい。妻よわかったか。その妻は遠く離れた木の陰からこちらの様子を伺っていた。戻った私に「馬と何を話してたのサ」ときた。「いろいろさ」と答えておいた。駆け引きのない動物との接触は心が休まるものだと思ったひと時である。
今日は午前と午後車内の荷物を引っ張り出しては整理した。便利だ、必要だと思っても使わなかったものがある。七輪と炭・予備の清水タンク・ゴザ・タープ・缶詰類などである。車の収納スペースを空けておくためにもしっかり見直しすることが課題としてのこった。
5月24日(土) 曇り後晴れ・・・・・ 帰宅
写真16 バンガロー3棟は多い? 少ない?
写真17 有島武郎記念館と残雪の羊蹄山
帰路、黒松内の道の駅で野菜を買う。次にニセコでも再び山菜を、そして昼食用の肉ジャガ饅頭と五目ちまきを買う。ここでは大小のキャンピングカーを見る。観光バスも一般ドライバーもよく利用しているようである。
昼食は有島記念館の駐車場。記念館(写真17)には大正時代を代表する作家、有島武郎の資料が多数展示されている。そして武郎の長男が後の俳優の森雅之だというから驚いた。また武郎は良家の夫人と許されぬ恋に落ち、最後は心中した・・・。これも大正ロマンのひとつだろうか。
中学時代に習った有島武郎は、日本はもとより海外の著名人との交流や文学作品までで、それ以外の話、森雅之とか道ならぬ恋とか、そして親から受け継いだ農地を小作人に開放したとか・・・そういう話は知る由もなかった。 食い入るように資料を読む私につられて妻も。あぁ・おー・まあー・と感嘆詞の連続だった。