2000・キャンプ日記(W) - 塚本光弘さん

こだわりキャンプ術 トップページサイバーフレンドフレンドのキャンプ日記このページ Updated: 2014.7.20
塚本光弘さんのプロフィール | キャンプ日記 1999-1/2/3/4 | 2000-1/2/3/4 | 01-1/2 | 02-1/2/3 | 03-1/2/3/4 | 04-1/2 | 05-1/2/3/4 | 06-1/2 | 07-1/2 | 08-1
斜里町・宇登呂「国設知床野営場」 食に比重をおき、食べ歩きキャンプ ・・・
今回も道北の美深町から出発 ・・ 名寄・下川経由でオホーツクへ。  ・・  続き
■キャンプ期間 2000年9月24日〜30日
このページの内容
日程と利用したキャンプ場
キャンプ日記
まとめ
参考ページ
サイバーフレンドの ・・・  キャンプ日記  キャンプ場情報  "特配員"だより

【このページのキャンプ場】  斜里町・宇登呂「国設知床野営場」  羅臼町「羅臼温泉野営場」  大樹町「晩成温泉」  屈斜路湖「オートキャンプ屈斜路」  上川町「上川ファミリーオートキャンプ村」

日程と利用したキャンプ場 第1日目 9月24日 国設知床野営場
第2日目 9月25日   〃
第3日目 9月26日 羅臼温泉野営場
第4日目 9月27日 晩成温泉
第5日目 9月28日 オートキャンプ屈斜路
第6日目 9月29日 上川ファミリーオートキャンプ村
第7日目 9月30日 ・・・帰宅
まとめ

食に比重をおき、食べ歩きキャンプ

【ルート】: 斜里町・宇登呂「国設知床野営場」 → 羅臼町「羅臼温泉野営場」 → 大樹町「晩成温泉」 → 屈斜路湖「オートキャンプ屈斜路」 → 上川町「上川ファミリーオートキャンプ村」
【コメント】: 食材にはマァ満足。雨が多かったが静かなキャンプでした。

第1日目 9月24日   [キャンプ場] 斜里町・宇登呂「国設知床野営場」

今回も道北の美深町から出発。秋田から墓参にきていた妻の弟夫婦と別れ、名寄・下川経由でオホーツクへ。

オホーツクの町、紋別や湧別あたりは何年ぶりの走行か。目新しい建物や公園がいたるところにできていた。

網走では毛ガニとシジミが有名だが、一軒立ち寄った魚店はあいにく売り切れ。あきらめて宇登呂まで直行する。斜里から宇登呂の海岸線、特に「オシンコシンの滝」あたりの道路は素晴らしく良くなっていた。滝の下には駐車場もあるが満杯。あふれた車は道端に行列。駐車スペースを探しながら通過せざるを得なかった。

宇登呂到着。早速毛ガニを探す。看板はいたるところにあるがここらは高い。地元の魚店を探すが道が狭く自由に動けない。駐車場も遠い。それではと海産物の土産物店にいく。茹でたての暖かいものを買ったが、大きさで比べると札幌の3倍くらいの値段だ。甲羅が黒く大小のフジツボがたくさん付いた、いかにも「見てくれ」の悪いのをえらんだ。

キャンプ場はこの市街地から車で2〜3分のところで15時30分着。今雨は降っていない。場所を選び真っ先にタープを張る。そしてとりあえず毛ガニを食べる。妻は見てくれの悪さにしばし眺めていたが、一人もくもくと食べる私につられて食べ始めた。が、「あら!これはおいしい」とばかりにピッチがあがる。黒くてフジツボの着いているのは、脱皮前で身もみそも多い。二人無言で平らげた。満足した妻は言った。「夕食はコンビニのそば弁当にしようか」。これには参った。(結局冗談だったが)

薄暗くなったサイトを見渡す。フリーもオートも凹凸や傾斜が多く、混雑期には場所選びはできないだろう。エゾシカが7頭フリーサイトの芝を食べていた。長期滞在者?のテントの側だがすっかり慣れているようだ。キャンパーは私たちを入れても3組だが、2組は長いようだった。私たちはとりあえず1泊の料金を払う。温泉割引券をもらったが、場所はここからゆっくり歩いて3分の「夕陽台の湯」。

風が吹き雨が降ってきた。タープの片側を、車のサイドドアに合わせルーフにまでかぶせてロープを補強する。これで雨の吹き込みは防げる。

外気温は18度だが私には特別な防寒対策はいらない。車内でガスを使っているので妻も寒がらない。タープの下のテーブルには、例の如く私の4点セットをそろえた。ボトル、グラス、アイスそしてつまみである。このつまみは、小樽・銭函の魚スーパーで見つけた身欠きニシで真空パックしたもの。昔は母が生ニシンを5箱くらい買ってきて(30×5)数の子や白子をとり頭や尾は畑の肥料に。そして背を開いて軒下にズラリと干していた。春から秋の漬け物時期まで干すのだが、どこの家庭も同じ風景だった。それを我々子供達がおやつ代わりに食べていた。このころのニシンは留萌産で魚体も大きく脂があり、ひと夏干しても固くはならなかったので食べやすかったのかもしれない。

そんな昔を思い出し、はじめは一袋だけ買ってみたが、翌日の夜まとめ買いに走った。美味かったのである。ちなみに今売られている物は、魚齢が若く脂ものっていない。その為コーン油に浸した物もあるが、これは味が落ちるし日時の経過で油やけをおこす。

20時。温泉は19時までの受付けなので今夜はパス。風雨はやや強くなった感じで明日の予報も雨だという。しかし局地予報はあたらないことが多い。晴れを期待してもう1泊することにした。

第2日目 9月25日   [キャンプ場] 斜里町・宇登呂「国設知床野営場」


「写真1」エゾシカが近くまで来た
ルーフをたたく雨音で5時30分起床。ペグが一本抜けていた。エゾシカが5頭、今朝は私たちのそばに来ていた。車とタープに慣れたらしい(写真1)。

炊事場やトイレ、ゴミ置き場にはヒグマの注意書きが目立つ。妻は落ち着かないようだが、エゾシカが散策?している限りその心配はないと教える(本当は、逃げ足の早いエゾシカはクマを恐れていない)。

サイトの周囲は深い森だが、その森の向こうは海に面した崖だったり墓地とホテルが並んでいたり・・・。それらが気にならない環境ではある。

なんとなく眠い。昨夜の野球はD対Gの試合、9回裏の逆転劇はマンガでもそうそうは書かない内容だったし、オリンピックの放送もにぎやかだった。寝たのは多分23時。眠いのはこのせいだろう。

外気温は14度、車内は16度。風が強いのでもっと低く感じる。ラジオは全道的に雨だといっている。出発前日(23日)から期待はしていなかったが、いやな予報はよく当たるものだと、前言を取り消した。今日も一日足をとられたか。

朝食後やや小降りになった。もう一泊の料金を払いながら傘をさして買い物へ。小さな階段を降りて近道。5分で市街中心部に着いた。しかし買うモノが決まらない。それはそうだ、暇つぶしにきたのだから。コンビニでパンとバターと氷、それに海草の加工品を買う。コンビニ価格はほとんど共通なので、特に気にするものはない。また沢山ある土産物店はどこも空いていて、退屈そうな店員がこちらを見ている。見るだけと思っても、私たちに張り付いて何かを買わされそうで入りにくい。

昼食後の空は雲がまだらになった。明るい部分も見える。雨も時々止むようになった。少し気分がよい。

14時30分「夕陽台の湯」へ。キャンプ場利用者は100円割引されて400円。浴槽が狭いので早めにと言ってくれた管理人に感謝。先客はいなかった。オホーツクの海が見え隠れ。冬は流氷で埋め尽くされるのだろうが、今は白い波がおどっている。私には珍しい長風呂になった。妻は30分待ったらしい。受付横の小部屋には地元の常連さんらしきご老人達が談笑。多分、もう少し仲間が増えるまで待っているのだろう。私たちは反対側奥の大部屋へ入る。ここは建物全体が新しく、掃除も行き届いていてとても気持ちが良い。湯上がりの北海道限定ビールが美味かった。

戻って、改めて周りの樹木を見る。胸高直径30cmくらいのトドマツの幹には、何時のものか縦についた数本の傷があった。ヒグマの木登りの痕である。やはりここにも来ていたか。しかし妻には内緒だ。

夕凪か、雨も風も止んだ。雲もいっそう薄くなった。明日こそ青空が見たいものだ。今日は3食とも簡単メニュー。

管理棟にはライダー宛のメッセージがある。漁港の荷(魚)さばきのアルバイト募集であるが賃金は悪くない。ま、その分毛ガニのように消費者価格は上がる。人手不足とは、それほど漁が多い時期なのか。

第3日目 9月26日   [キャンプ場] 羅臼町「羅臼温泉野営場」

 3時30分、何故か目をさました。空は真っ暗だが、漁港からはすでに船のエンジン音が聞こえている。出漁の準備だろうが今は雨も風もない。安心して再び眠りに入る。

正式?な起床は7時15分。空はとぎれとぎれだが青空が見える。外気温15度はとてもすがすがしい。エゾシカが今朝も側にきていた。

和朝食にはみそ汁。実(具)はレッドムーンという新ジャガと生椎茸、それに長ネギを薬味にする。おかずは小ナスの一夜漬けと卵焼きその他。御飯は相変わらずアルミの鍋で炊いている。「こだわりキャンプ術」で浅川さんやサイバーフレンドから教えていただいた、カセットガス炊飯器はまだ買っていないのである。御飯炊きは妻が、みそ汁は私が担当しているが、妻は「二人ともせいぜい一膳しか食べないので暖かいうちに食べられる。吹きこぼれさえ見張っておればこのアルミ鍋で十分」だという。しかし、重たい蓋で吹きこぼれするくらいの圧力がかかった方が、より美味い御飯が炊けるのに。わかっているけど「うん」と言わない妻である。後で洗うことを考えればもっともなのだが、ならば台所から圧力鍋を持ち出すか。これは使い道が多くて便利である。

撤収。しかししかし、タープには松ヤニが点々と。ガソリンがほしいがここにはない。諦めて袋に入れた。車のエンジンをかけワイパーを動かす。あぁ、しかししかしここにも松ヤニが・・・・・。ガラスが白くなってしまった。このままでは走れない。市街のスタンドで0.1リットルほど買ってこようか。そう思いながらウイスキーで拭ってみたがやはり無理だ。それから車のボディのシミ取り剤を使ってみたらこれがよかった。ガラスもワイパーもきれいになった。ホッとした一瞬である。

9時出発。ここから羅臼までは近いが知床峠がわからない。多分濃い霧のため見通しが悪くて走れないだろうし、峠のPエリアでは沢山の車が出入りしているだろう。羅臼市街での買い物もあるし、Pキャンのための場所取りもある。てなことで出発したのだが、やはり予想どおりだった。

峠に近ずくにつれガスってきた。峠の眺望はゼロ。羅臼側からはライトを点けた車が続いてくる。センターラインは数メートル先しか見えない。一瞬だが昨年の摩周湖を思い出した。

距離にしてどのくらい下ったか、目の前が突然明るくなった。海も見える。北方領土の国後島も間近に見える。いま住んでいるロシア人の生活も見える気がする。海もおだやかで島の上空は青空だ。羅臼の人々は毎日この島を見ているのだろうなと、過去の歴史が頭をよぎる。

先に買い物をするため市街の魚店へ。探してもない。店舗を移設したらしい。道の駅へ行く。羅臼は「ほっけ」と「昆布」と「秋鮭」が有名だ。3品買ってキャンプ場へ。


「写真2」ここにもエゾシカ。人を恐れない

駐車場は舗装してラインが引いてある。先客は車が3台。バイクは指定の場所に行儀良く10台。私たちはフリーサイトを見渡せる角をゲット。ここにもエゾシカがいる(写真2)。

すぐ昼食の準備。簡単なスパゲティを茹でた。

今日は羅臼の露天風呂「熊の湯」に入る。羅臼の市街からも近く地元からも沢山の人が毎日来ているらしい。キャンプ場「羅臼温泉野営場」は、国道をはさんで露天風呂の反対側にあり徒歩2分の距離だ。 

14時「熊の湯」へ。粗末だが男女別にはなっている。湯はかなり熱く感じるがすぐ慣れた。身体が冷えていたからだろう。上空は雨雲がある。痛いくらいの大粒の雨が落ちてきた。「熊」と「大粒の雨」・・・荒々しいのは知床らしくていい、と勝手に納得。

・・・・・ 入浴客の話あれこれ ・・・・・
 ここに来るとき車の前を熊が横切ったサ。
 大きかったか?
 4,5才くらいかな。
 5月からのジイさん(滞在者)が毎日6時には風呂を掃除してくれたけど
 2日前に本州に帰ったらしい。誰か土産を持たせたか? 
 俺が生鮭とイクラを持たせた。
 そうか、それはよかった。
 今度この風呂は誰が掃除する? 
 毎日でないけど俺がくるさ。
 そうか頼むワ、俺も暇になったら来るから。
・・・・・ 3人の地元衆の会話から ・・・・

夕食は鮭の「ちゃんちゃん焼き」。鉄板に油をなじませ、アルミホイルを大きめに敷く。半身の鮭を皮を下にしてのせる。味みそ(みそ、みりん、砂糖で調合)を全面に塗る。キャベツ、ジャガイモ、タマネギ、キノコなど野菜いろいろ、バターも好みの量を一緒にのせる。ホイルを上からかぶせ、下に敷いたホイルとつまみ合わせる。炭の火はややおさえ目に。ホイルの隙間から蒸気が噴き出したら出来上がり。好みで「めんつゆ」か醤油をかけてもよい。ジャガイモはバターと醤油がよくなじむので、好きなら多めに入れてよし。キノコは生椎茸か舞茸がおすすめ。

食べ終わって、今度は炭の残り火で「ほっけ」を焼く。脂がのっていて厚い身もしまっている。これもきれいに平らげた。

駐車場は半分くらいまでうまってきたが、入浴だけの客もありこれ以上は増えない見込みだ。パトカーもやってきて一人のキャンパーとやりとりしていた。どうやらこの駐車場で長期滞在をしていたらしい。明日ここを発つと言っていた。立派な管理棟はあるが、管理人がいるのは最盛期の一時だけであとは不在。代わって長期滞在者がいろいろな指示を出すため、他のキャンパーとトラブルになったことがあるという。(町の書店で読んだ別のガイドブックに書いてあった。羅臼町でも対策を考えるという)。

22時、雨はポツポツだがこれ以上は降らないだろう。ソロのテントの灯りも消えていく。就寝。

第4日目 9月27日 晴・時々雨  [キャンプ場] 大樹町「晩成温泉」


「写真3」ここからも国後島がよく見える
6時半起床。ずいぶん長い間見ていない気がするが、朝焼け雲が気分をもり立てる。簡単な朝食をゆっくりと、後片づけもゆっくりと。羅臼の道の駅の開店が9時。妻がここでもなにやら買いたい物があるというのでその時間に合わせて出発。

羅臼から浜古多糠の間、ここからも国後島がよく見える(写真3)。標津で大雨にあうがすぐ通り抜けた。

昼食は厚岸の道の駅「コンキリエ」。去年の美味い思い出があるが、今回は調べてきたのでここでは買わない。そのかわり牡蠣定食を食べた。そして漁協の直売店へ。1個90円でかなり安いが大きめの物はなかった。冷たい水で育つため成長は遅いが、身はしまり味に「こく」がある。貝毒の発生はないので通年食べられる。特別大きなものもあったが売り物ではないという。多分料亭からの特注品か、どこかのイベントの展示品になるのだろう。また10月1日から9日までは牡蠣祭りだが、場所はここの町内ではなく、15kmほど根室寄りの茶内地区のようだ。祭りには広い場所が必要だからだろう。

今夜の目的地は大樹町の「晩成キャンプ場」だが、ここは先月のキャンプで思い残しのあるところ。その晩成地区。トウモロコシの収穫が終わった畑では、丹頂鶴がこぼれ落ちた実をついばんでいた(写真4)。


「写真4」ここにも丹頂鶴が

晩成温泉で受付。しかしキャンプ場は17日で終了したという。「パンフではまだ10日以上もあるのに」と不満を言ってみた。どうしてもと言う人には温泉横の広場を開放しているという返事だ。芝はきれいで精選砂利を敷き詰めた駐車場、トイレ、炊事場、バーベキューハウスがある。なにがしかの丸太の遊具もある。オート料金は勿論不要。入場料のほかハウス使用料1000円(1パーティ)を払う。炭は?肉は?野菜は?と聞かれたが全部持っている。電気と炭火点火用のプロパンバーナーはご自由にということでドアの鍵を貸してくれた。ガラスと透明な樹脂板を使ったログハウスである。風に当たらずにすむ。

夕食前に入浴。焦げ茶色の湯だが泉質の確認はしなかった。ボイラー室があるのは加熱するためか。たしか井戸からは蒸気が見えたのだが・・・・。ま、いいか、料金も350円だし。大樹町は「カムイコタン農村公園キャンプ場」も含めて料金設定が嬉しい。

夕食。メインの牡蠣と身欠きニシン、ジャガイモその他を炉の周りに並べる。勿論牡蠣からなくなったが、レモンを使わず海水の塩味だけで食べた。自然のこくが甘みになる塩味だ。ジャガイモは遠火で、皮付きのままじっくりと焼く。十文字の切り込みにバターをのせ醤油をたらす。スプーンで食べる。あとは残り火のあるあいだ身欠きをかじる。妻は果物がデザート。山ブドウと焼酎の自家製ワイン?を持ってくればよかったという。

ゴミは持ち帰りというのでしっかりと包む。時刻は21時すぎ。キャンピングカーが2台増えていた。今夜はここでPキャンのようだが互いに距離はとっている。風雨なし。打ち付ける太平洋の波音だけが響いている。

ラジオは野球とオリンピックばかり? 天気予報が入らない。

第5日目 9月28日 晴れのち雨   [キャンプ場] 屈斜路湖「オートキャンプ屈斜路」

朝、快晴、風なし。波は高いが洋上はるかまでよく見える。8時半出発。妻が、先月忠類の道の駅で見かけた物がぜひ欲しくなったというのでここまで来たが、それが何なのかは言わない。9時の開店を待って入ったが目的の物は売り切れ。「美人と舞茸の見置きはならじ」とはこのことだ。見るだけではまずいのである。

無駄足になったが車は屈斜路湖へ。途中阿寒湖畔からかなりの雨になった。湖畔のコンビニで弁当を買う。駐車場が混雑しているので先へ進む。路肩のPエリアで食べながら、もう35年も前この道を通った話をした。その時大型トラックが転覆していて、ピカピカしたサンマがそこら一面に散乱していたと何気なく指を差したら、つられて見やった妻が一声「あるーっ」。側溝の草の中に中型のサンマが捨ててあるではないか。量こそ少ないがそれでも3箱くらいはある。臭いもせずハエもよっていない。これはまだ新しい証拠。しかし何故こんな所に捨てるのか。偶然の一致でも不思議なことである。ビックリしたあと呆れてしまった。


「写真5」硫黄山 昔と変わらないたたずまいだ
屈斜路湖に着く前に「硫黄山」に立ち寄る。昔と変わらず勢い良く蒸気を吹き上げていた(写真5)。卵売りも昔のままだ。

「オートキャンプ屈斜路」16時到着。ここも30日で終了だが5月から滞在している御仁が出迎えてくれた。管理人は暗くなったら来るというが、利用者がいなくなるとこんなものだろう。この御仁、水戸の御老公と言われて有名な人。東京から来ているが、ここには8年前からの居住者で10月からは鹿児島に移動するという生活?。そして芝生に車の乗り入れは自由。場所は何処でも良い。ただし奥のトイレと炊事場は閉鎖した。料金はこれこれ・・・。立ち話のままこれだけを話してくれた。

風雨が強くなった。芝生もたっぷりと水を含んでいる。短靴で芝生の上は歩けない。どうせタープも張らないからと、足元のしっかりした駐車場で過ごすことにした。湖面からの吹き付けを避けるため車の向きを変えた。

料金は半額。クワハウス温泉の割引券をもらったが、19時までという時間では今夜は無理。入らなかった。夕食は簡単に。

21時15分、霧雨になったが明日はどうか。

第6日目 9月29日 快晴   [キャンプ場] 上川町「上川ファミリーオートキャンプ村」


「写真7」帯状に立ちのぼる蒸気

「写真8」屈斜路湖

「写真9」目立つバンガロー群

「写真10」屋内キャンプ場
雲一つ、風もないいい朝だ。湖面もおだやかだ(写真6)。一カ所、細長い範囲で蒸気がまっすぐに立ち上っているのが見えるが、湖底の温泉だろうか。又はただの水蒸気か(写真7)。近くに砂湯があるくらいだから湖底温泉の可能性もある?

テーブルを外に出し朝食の準備。管理人か御老公か、どちらが飼い主かわからないが、ゴールデンレトリバーが一頭尾を激しく振り回して走っている。私たちの所にも来て挨拶を一声。イヌも気分がよいのだろう。

御老公も早速やってきて、車はゆれなかったか、風呂には入れたかと心配してくれた。管理人は帰った。イヌは残った。そうか飼い主は御老公だったのだ。大きなキャンピングカーに一人では寂しい。その相棒なのだ。

8時30分出発。今日の目的地は帰路にある上川町「上川ファミリーオートキャンプ村」だ。北見・層雲峡経由が近い。

空はずっと快晴。途中の美幌峠は素晴らしい眺望だった(写真8)。観光客もまばらで駐車場もがら空きだ。有料と思っていたが無料。北海道はこれでいいのだ。写真嫌いの妻が小さく(遠くから)撮ってほしいといった。これは我が家のトピック。ズームを効かそうと思ったがやめておいた。

昼食は温根湯温泉の道の駅。広い敷地に土産物店が並び、からくり人形の時計台がある。ちょうど正午の時報。音楽にあわせて人形が現れた。約5分間のショーだが自家用車をはじめ観光バスやハイヤー、長距離トラックからは続々と見物に降りてきた。こちらでは珍しい物なのだ。なにがしかの土産とおかずを買う。

14時30分目的地到着。やはりここも客はいない。場内の芝生はきれいだがそれほど広くはない。その分建物が多い。何棟あるのかバンガローが目立つ(写真9)。コインランドリーも5台くらいあった。変わったところでは自家用車の車庫ほどのカラオケルーム。洗車機コーナー。知る人ぞ知る屋内キャンプ場(写真10)。有料の家族風呂。また屋内炊事場が2カ所、屋外が1カ所など。特に屋内キャンプ場は透明な樹脂板で覆われて冬向きだ。中には個別の炊事場が5カ所、強力な石油ストーブやガスオーブン、小上がり、椅子、テーブルなどがあり、ここにもカラオケセットがある。まさにファミリーキャンプ場だ。ただ、場所が国道に隣接しているため車の騒音はかなりのもの。区画オートではないのでどこに乗り入れてもよい。しかし混雑期の無秩序駐車では・・・・。

私たちは屋内キャンプ場で炊事。客がいないので出入り口に横付けた。調理台のそばに積んである場内のテーブルをセット。陽が当たるので中は少々暑い。キャンプの雰囲気でないが妻は喜んでいる。

夕食前にコインシャワーを使う。10分200円。すっきりして食事の準備。と、1台が入ってきた。春日部ナンバーの二人連れで、年齢は私たちくらいか。当然食事は一緒になった。

話もいろいろ。ご主人のリタイヤで初めての北海道キャンプ、しかし戻れば趣味のシャモを飼うらしい。だから北海道は初めてで最後かも。もう一度来たいが生き物を飼うので仕方ない。今回は今日で10日目、知床にも行って来た。明日は大雪山「黒岳」の紅葉をみてここにもう一泊。そのあと札幌などを含めて1週間ほどキャンプを続けるという。札幌市内の見所を聞かれたが、自家用車で回るのは困難としか返事できなかった。駐車禁止の場所が増えたのである。

妻が最後のジャガイモを茹で、私も身欠きニシンを開封しすすめた。喜んで食べてもらえたが、身欠きニシンは明日の楽しみに半分残すという。お返しといってポトフときんぴらゴボウをいただく。家庭用の分厚いフライパンで手早く調理する姿は、さすが堂に入ったもの。キャンプ中はこれひとつでほとんどの料理を作っているという。脱帽。

19時食事終了。お互いに車内へ。バンガローにセダンが一台きていた。夜空に星が見える。雲はないようだ。この分だと明日も快晴か。

第7日目 9月30日 快晴 ・・・・・ 帰宅

6時起床。隣の春日部さんはすでに食事の準備。遅れて私たち。例のごとくみそ汁は自分の好みでつくる。

食べながら妻は言った。私も黒岳の紅葉を見たい。迷った。紅葉はゴンドラとリフトを乗り継いでさらに徒歩で登る。その先の「雲の平」?まで行かないと見られない。登山の装備が必要なのだ。大雪山連峰や十勝岳は私の独身時代に5年間縦走してよく?わかっているが、とりあえず行ってみよう。行けば納得するはずだ。ならば早く行かなければ。駐車場が混雑して出られなくなるのだ。春日部さんは洗車中。私たちが先になった。


「写真11」灰色の枯葉が目立つ黒岳
駐車場はまだいくらか空いていたが奥には入らなかった。すぐ券を買う。すぐ動き出した。ゴンドラの駅は層雲峡温泉の真ん中にあるので、上るに連れて全体が見えてくる。上を見ると黒岳の頂上もよく見えるが、紅葉の気配は見えない(写真11)。樹種のちがいで灰色になるだけだ。ナナカマドの赤い実だけが点々と見えた。紅葉期待者はガッカリする景色である。

ゴンドラを降りると、すぐ前からはリフトの終点までがよく見える。そこから上も冬枯れの灰色がよく見える。妻は諦めたようだ。

帰路、昼食は旭川。R12沿いの「古潭荘」でラーメンをとる。この旭川ラーメンは私の学生時代の味である。こってりスープの醤油味だ。

ラーメン発祥の地は旭川、そして醤油味が原点と信じて止まない、ささやかな私のこだわりだが、市内の「天金」と「蜂屋」の醤油ラーメンが一番好きである。具は支那竹とチャーシューでよく、エビ、カニ、ホタテの入った物は私には邪道なのだ。・・・ここらを力んでおこうかな。

15時30分帰宅。車内の清掃は明日に。

まとめ

「食のキャンプ」といいながらも、コンビニやレストランにも入ったがやはり夕食のメニューが一番よかった。 手間をかけて加工せず、素材を食べるのだという、最小限の素朴な調理がポイントか。

全行程1340kmの走行は多少の無駄もあったが、行き会ったキャンパーや一般観光客は私たちと同年代が多かった。 8月中のように、暴走車もその他の一般車も少なく道路の混雑もない。 天候は仕方なかったが、その分寄り道も少なく時間に余裕のできたのがよかった。 キャンプ場の各施設は、利用者が少なくなった時期なのでどこもきれいに清掃されていた。

また国道番号がかなりの部分で重複していたが、地図には表示されていないところも多いので、経由地や行き先地名の事前確認も大事。 特に三叉路や五叉路では、一瞬だが本線を見失うところもあった。

Sunday, 20-Jul-2014 13:22:01 JST