2003・キャンプ日記(IV) - 塚本光弘さん
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■キャンプ期間 2003年10月17日〜23日
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"特配員"だより
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■このページのキャンプ場 鹿追自然ランド 足寄町里見が丘キャンプ場 | |
10月17日(金) 曇り 利用キャンプ場: 公共駐車場
写真2 ○○遺産となっている
写真3 船体の色だけが鮮やかに
写真1 見ているだけでも寒さが・・・
大雪ダムからR273を糠平温泉へ。途中のログハウス喫茶「三股山荘」はまだ営業中。軽食喫茶だが物静かな女主人の出してくれるスパゲティやケーキとコーヒーには隠れファンが多いらしい。二度ほど利用したことがあるが今日は素通りする。この十勝三股から上士幌町までは旧国鉄士幌線のアーチ橋梁が点在し、なかには糠平湖の水位変化によってその姿を隠したりまた現れたりする橋もあるという(写真2)。
糠平温泉街。まばらな観光客を呼び込む遊覧船や土産物店のスピーカーがなんとも寂しい。紅葉の終わった山と、湖面を泳ぐように進む派手な船体の取り合わせがミスマッチに思える(写真3)。
温泉街の少し先の「国設ぬかびらキャンプ場」は9月24日で閉鎖。間もなく日没なので今夜は隣り合っている公共駐車場で泊まることにする。防寒対策はできているが、車のヒーターも必要なのでエンジン音が迷惑に鳴らない場所すなわちトイレに近い道路側に車を寄せた。夕食もそこそこに20時30分就寝。
10月18日(土) 晴れ 利用キャンプ場: 鹿追自然ランド
写真4 真ん中を走りたくなった
写真5 隠れ名湯「菅野温泉」
写真6 50頭以上のエゾシカを放牧
写真7 鮮やかなカエデは目を惹く
R85を然別湖へ向かう。「国設然別湖北岸野営場」は9月一杯で閉鎖だが日帰りらしい若者団体が賑わっていた。雲行きが怪しく風も冷たい。紅葉も終わり山々は黒く見える。ここも早々に移動。
キツネには餌を与えないでくださいという看板を見ながら曲がりくねった道を登ると、「駒止湖」という小さな湖があったが、山深くに入り木材搬出に活躍していた道産子(馬)すら足止めを喰ったということからつけられた名前のようだ。
下り道になったあたりから「パールスカイライン」という愛称が出てきた。何でパールなのかはわからないが、ここの「扇が原展望台」からは十勝平野が一望できた。少しモヤがかかっていたが紅葉が平野部に移っているのがよくわかる。また広い十勝平野の周囲のなだらかな山は道路にまで関係しているのか、大小の谷を貫いた驚くほどの長い直線道路がある(写真4)。山にも老年期がありそのころは角が取れて丸くなる、すなわち険しい谷がなくなることを言っているのだが、これはまた幼年期への出発点でもある。
今日は鹿追町の「鹿追自然ランド」を予約済み。時間はまだ正午過ぎだが受付でインの時間を確認する。15時から入れるというのでここから12キロ山奥の「菅野温泉」に行く。3キロだけが舗装であとはダート。上り道なので40分かかった。料金1000円は高いと思うが客数と維持費の兼ね合いで仕方ないのだろうな。湯は少々濁っていて泥炭層の匂いがするが、効能はよいという。通年営業らしく除雪用のショベルドーザがある。また自家発電なのか大きな発電機が3基とその燃料ドラム缶が無数にあった。建物は次々と建て増ししたと見え新旧が迷路のようにつながり、一度くらい図面を見ても迷子になりそうだ。勿論湯治客もOKである(写真5)。
温泉からの帰路は20分。15時40分チェックイン。フリーサイトで車内泊として予約していたが、夜は5度以下になるかもしれないと言われ急遽バンガローに変更。利用者は勿論自分ひとりだ。場内では男性2人と受付の女性が落ち葉を履き集めまたエゾシカ(写真6)に給餌したりと、結構忙しそうに働いていた。敷地内にはほかにゴーカートやパークゴルフの施設もあり、全体ではかなり広い面積がある。
入り口のそばにひときわ鮮やかなカエデがある(写真7)。昨日と今日この色がないために寂しかったし、明日以降もまたこの紅い色がなければ寂しい紅葉風景になるかもしれない。
17時30分炊事道具・寝具類・ガスストーブをバンガローに持ち込む。丸い月が冷たく光っているが黒い雲も早足で流れている。風は吹いていないのに、細い枝にしがみついていた木の葉がひっきりなしに落ちている。そばでエゾシカが鳴く。夕食は裸電球とガスの燃焼音のなかで石狩鍋をつっつく。
2人用のバンガローは閉鎖したということで6人用を借りたのだが、大きすぎてなかなか暖房効果が上がらない。・・・・・今夜も冷え込みそうだ。
10月19日(日) 快晴 利用キャンプ場: 足寄町里見が丘キャンプ場
写真8 せめてこのくらい見られれば
写真9 バンガロー以外の施設
朝食が終わるころには陽も高くなり、その光があの入り口付近のカエデをいっそう鮮やかな真紅に見せている。十勝・釧路・北見地方の天候はすべて快晴との予報。このまま数日は続くようだが、是非そうあってほしいと願いつつ8時40分退出。
4キロ少々下って「森のキッチンかわい」辺りからR274を士幌町へ。士幌町の道の駅で少し買い物をし、R241を足寄町道の駅と足寄湖に立ち寄る。道の駅はチーズ工房と併設されており熟成中のチーズを見、完成品を買うこともできる。屋上からは足寄湖の北端が間近に見えて撮影ポイントにもなりそうだが、太陽の低いこの時期は逆光線になる。正午過ぎなら何とかなりそうだが・・・・・。南端の堰堤に行ってみたがここはよいポイントがある。しかし紅葉はすでに後半に入っていた(写真8)。もう少し早ければと思う反面、樹種の単純さを見れば黄一色の風景だけとも思った。今日は「足寄町里見が丘キャンプ場」に泊まる。予約はしていないがまだ開設中だ(写真9)。管理人もいたし団体の日帰り客もバーベキューを楽しんでいた。受付の初老の男性がいうには、退職後にここの管理清掃をしているが交代希望者がいないので困っているとか。
バンガローは一番小さい3人用を借りたが、ガイドブックの写真では6人用となっている。どうやら写真が間違っているらしい。
16時30分、陽が翳ってきたころ管理人は帰った。私もそろそろ夕食の準備にかかろう。今日は車内で簡単に済ますつもりだ。
メインは湯豆腐だが柚子タレ・ポン酢がない。仕方がないのであれこれ考えて出た結論は、醤油と酢ならあるのでこれを使うこと。昆布を入れて湯を沸騰させ、醤油を適量?いれてから豆腐を全部入れてしまう。そのうちに大根・玉葱・ジャガイモ・天ぷら蒲鉾などを入れ、煮えたものから食べた。一体何料理?
10月20日(月) 快晴 利用キャンプ場: 公共駐車場
写真10 公園としても気持ちがよい
写真11 平和なたたずまい
写真12 七色に変化する湖面
写真13 午後の和琴半島
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写真14 全体にこの色バランスなら
9時10分退出。R241をオンネトーへ。雌阿寒岳のふもとから入る予定だったが風景を期待してずっと手前の螺湾地区から農道のようなR664に入ってみた。舗装されて走りやすい道。上螺湾地区からは静かに噴煙(蒸気?)を上げる雌阿寒岳とスマートな阿寒富士が見えた(写真11)。舗装がきれたところからダートで5キロ先がオンネトー。狭い曲がりくねった林道になったが、これでもれっきとしたR664だろうか。たまに対向車があるのでわき見もできない。
オンネトー到着。水を見て驚いた。日に何度か色が変わるというが、まさにそれを感じさせる不思議な色である。これはエメラルドグリーンというのだろうか。硫黄を含んだ水がこんな色をしているのは十勝岳から流れ出る美瑛川でも見ているが、ここはそれよりも色がはっきりしている。湖岸の所々の待避所に車を止めてカメラを構える姿が目立つ。雌阿寒岳の噴煙は風向きの関係かここからは見えない(写真12)。しかし寄り添うようにそびえる阿寒富士もあってアングルは素晴らしい。 35ミリレンズだと納まりがいい。何箇所か車を止めてみたが最初のほうが撮影ポイントとしてもいいようだ。 R241に出てR240を阿寒湖に向かう。昼は過ぎていたのでパンをパクつきながら湖畔を歩く。一週間ほど前のテレビでは、阿寒湖では今が紅葉の見ごろと言っていたがまさにそのようだった。都合とはいえやはり出てくるのが遅かった・・・・・。
湖畔から再びR241を弟子屈へ向かう。今日は起床時から今まで一片の雲も見えない。道路も交通量が少なく快適である。ひたすら走って弟子屈町の道の駅で小休止。売店の人に屈斜路湖の情報を聞くとまだまだ大丈夫ということで、割り引いて考えても安心できた。走りながらインバーターでカメラ電池を充電したのでこちらは完璧だが、明日は雲だけが心配だ。最近の1週間、こちらの地方は気温が高く晴天が続いているのでそれほど心配はしていないのと、明日の予報も晴れということなのでそれを信じよう。
15時、和琴半島到着。しかしまだ営業しているはずの「和琴半島湖畔キャンプ場」は閉鎖していた。そしてキャンプ場利用者指定?の温泉旅館「湖心荘」も10月15日で休業に入ったという土産店の話。ただし200mほど先に無料の露天風呂があり、キャンピングカーもそこで宿泊しているのでどうぞと言ってくれた。行ってみて考え込んだ。脱衣所も湯船も素通しであること。湯船のそばには飲食のできるテーブルと椅子。おりしも1人の旅行者が半裸で食事中。散策の旅行者がたえず行き交う・・・・・。1人や2人の女性ならまず入れないだろうし、その逆なら男性が遠慮してしまうという、本当にオープン過ぎる露天風呂だった。
戻って「湖心荘」に行く。休館のため後始末をしていたらしい女将にわけを話すと、湯ならいつでも流れているのでどうぞと快諾してくれた。湯が熱くたちまち汗が噴出したが、体内の老廃物もきれいに搾り出してくれたような気分になれた。料金400円を払い礼を言って出たその足で土産店に直行。缶ビールを一気に流し込んだところで目の前の広い駐車場の利用を聞くと、公共だと言う。トイレはきれいで申し分なし。分別ゴミ箱もあったので持ち歩く心配はない。他に車は2台のみ、落ち着ける環境である。
まだ日没には時間があるので湖岸を散歩したが、火照った身体に微風が心地よい。夕日に映える紅葉も素晴らしかった。明日の日の出ころがたのしみだ(写真13,14)。
夕食はイカ飯と白菜のおひたし。果物は余市町の果樹園で買ってきた洋ナシ。晩酌は水割りを少し。
10月21日(火) 晴れ 利用キャンプ場: 道の駅・おんねゆ温泉 駐車場
写真15 静かな湖面と朝霧
写真16 露天風呂ができそうな蒸気
写真17 チミケップ湖南端から
写真18 付近の道路はほとんどダート
写真19 冬はワカサギ釣りで賑わう
写真20 利用者の団欒に一役買った椅子とテーブル
10時まで粘ってここを離れる。美幌峠からの屈斜路湖は見慣れた風景だが、モヤと逆光線で今日は写真にならないとばかりに反対側を覗いた。ゴルフ場を思わせる笹原のなかに、何十年もかかって伸びてきたであろう赤エゾ松が黒々と見えた。
美幌町・津別町市街地を経由し同町本岐(ポンキ)地区からチミケップ湖を目指す。R494は間もなくダートに。オンネトーへの裏街道を思い出す。チミケップ湖手前の鹿鳴の滝はもう少し水がほしいとろ。
14時到着。部分的ではあるが見事な紅葉が目に飛び込んできた。それは西日の当たる湖畔の道路沿いに光って見える(写真17)。小さなホテルがある。通年営業という小さな文字板に驚きながらさらに進んだところにキャンプ場はあった。利用者はいないようだが車と人影は見える。女性客?と話し込んでいた管理人らしき人に会釈してからサイトに入る(写真18)。
大小の樹木の間から見える湖面がいい感じだ。サイトは草を刈るだけでそれ以上の手はかけていないようだが、それも全体の中では見事に調和している(写真19,20)。炊事とトイレは一つの建物の中だがしっかり区分されているので違和感はない。湖岸の石碑のあたりには子犬が2匹元気にじゃれあっていた。湖岸では私に付いてまわっていたが、私が車道のほうに歩き始めるとついては来ない。悲しそうにじっと見つめるだけなのである。
管理人に話を聞いた。あの女性はホテルの支配人。冬も営業をするのはワカサギ釣りの客が多いから。除雪は毎日やってくれる。公衆電話がホテルにあること。開設機関中はこの小さな管理棟に泊まっていること。最近は若者がここに来てまでも暴走行為をしていること。子犬が車道に寄り付かないのはその車やバイクが怖いものだと教えてあるから。飲料水は地下水だが、粉末ではなく液体の消毒薬なので水が白くならないし匂いも味もしないこと。高齢者?は大木の下にテントを張るが若い層は小さな木のそばにテントを張るがこれはなぜか・・・・・等々。かなり話し好きな管理人と思ったがどうなのだろうか。
今年の場合、あと10日ほど早く来ればよかったと言いつつ挨拶をして分かれた。浅川さんもここを利用したと書いてあるが、私ももう少しだけ暖かい時期に利用したいと思った。
今夜は「津別21世紀の森キャンプ場」を予定しているがどうだろう。予約はしていないがガイドブックでは11月末までとなっているが。
チミケップ湖の先は下り道のR682、ダートだがR494よりは走りやすい。R27を津別町へ。キャンプ場はやはり閉鎖。駐車場は入れたのでとりあえず学習展示館に電話をしてみる。役場に行って申込書を書けば中の利用はOKだというが、ゲート・バンガロー・シャワー・照明などのことを考えると一人のためにそこまで手を煩わせるのが何となく気の毒になった。P泊も考えたが気を使わせるのは同じこと。ここは利用しないことにした。
15時45分、R27を北見市へ向かう。R39に出てコンビニに立ち寄り、道の駅・おんねゆ温泉まで直行するが夕方でもあり大型車の行列に挟まれて低速走行。道の駅到着は16時40分になっていた。雨がふってきた。長距離トラックの出入りが激しい。泊まるらしいトラックは裏の駐車場へ、立ち寄り車は表に。とにかく広い駐車場なので、少ないように見える車も数えると多い。この時間で40台ほどあった。
私もP泊を決める。目の前には温泉街があるがどうしようか。日帰り入浴の情報は調べていない。売店で聞けばわかるのだが今夜はそれほど気がすすまない。大きなからくり時計が18時を知らせた。5体の人形と大きな鳥の模型が、朝8時から1時間ごとに現れ音楽に合わせて動くのだが、今の見物客は少ない。
雨は降り続いているがあまり寒くはない。夕食はテープを聴きながら。
10月22日(水) 雨 利用キャンプ場: 砂川のSA
写真21 快適なドライブコース
R39を少し戻って留辺蕊市街からR242を遠軽へ。途中の生田原町あたりの低い山はまだまだ鮮やかな彩りが見られた(写真21)。遠軽町からはR333に入る。丸瀬布町から上川町まで紅葉の山並みを楽しんだが、再び上川町のR39に出たころは豪雨かと思える降りにあう。14時30分、空は暗く車はほとんどがライトを点灯し、その反射でセンターラインが見えない。神居古潭あたりのR12ではもっと厳しい状況になった。やっと深川の道の駅にたどりついて一息。ここで札幌市内の知人と出会う。どうやら私と似たようなコースを走ってきたらしい。バス改造のキャンピングカーで8人分のベットがあるという。その車に7人が乗っていた。深川ICから高速に乗って明日は函館方面へ直行するとのこと。今夜はどこかのSAで一泊するのでそれまで一緒に走らないかと誘われたが、走るのはもう結構、自分もどこかのSAで早めに眠りたいと言った。
結局私は砂川のSAで泊まることにした。彼・彼女たちはさらに先へ行ったが別れ際にボトルを一本置いていってくれた。この一行は薄野のスナックの店主と従業員。店を10日ほど休んで慰労会とか言っていたが、そんなに休んでいいのかななどと心配し、このボトルはもしかしたら自分のキープしたものかもなどと、あれこれ考えたひと時だった。